展示タイムとは
展示タイムは、レース前の展示航走で計った周回のタイムです。 その日の艇の速さが出ます。 スタート展示と同じ「展示」ですが、 こちらは本番との関係がはっきり出ます。
これは何か
レース前の展示航走で、決められた区間を走ったタイムです。 秒で表され、小さいほど速いという意味になります。
モーターの調子・整備・その日の水面がまとめて出ます。 選手の腕だけでも、モーターだけでもありません。
スタート展示(進入とST)とは別のものです。 あちらは「どこから、いつ出るか」、こちらは「どれくらい速いか」です。
実測ではどうなっているか
展示のデータは 2026-07-19 から貯めています。 2026-08-26 までの 39日ぶん・24場・36,345艇が対象です。 5年分ではありません。
タイムは 6.49秒 から 7.92秒の範囲で、 中央は 6.84秒、ばらつき(標準偏差)は 0.107秒でした。
① 同じレースの中で、速い順に並べると
| 展示タイムの順位 | 走 | 1着率 |
|---|---|---|
| 1位 | 6,856走 | 27.3% |
| 2位 | 6,516走 | 19.71% |
| 3位 | 5,972走 | 17.2% |
| 4位 | 5,847走 | 13.55% |
| 5位 | 5,469走 | 12.12% |
| 6位 | 5,166走 | 7.86% |
1位 27.3% から 6位 7.86% まで、順に下がります。 ただし1位でも 27.3%で、 4回に1回強にすぎません。
② 場によって、計り方が違います
| 場 | 艇 | 展示タイムの中央値 |
|---|---|---|
| 浜名湖 | 1,510艇 | 6.73秒 |
| 蒲郡 | 720艇 | 6.74秒 |
| 宮島 | 1,436艇 | 6.76秒 |
| びわこ | 1,078艇 | 6.77秒 |
| 桐生 | 1,367艇 | 6.77秒 |
| 常滑 | 1,581艇 | 6.77秒 |
| 戸田 | 1,436艇 | 6.77秒 |
| 多摩川 | 1,511艇 | 6.78秒 |
| 三国 | 1,799艇 | 6.8秒 |
| 唐津 | 1,584艇 | 6.8秒 |
| 芦屋 | 1,655艇 | 6.81秒 |
| 児島 | 1,583艇 | 6.82秒 |
| 平和島 | 1,794艇 | 6.82秒 |
| 丸亀 | 1,726艇 | 6.82秒 |
| 尼崎 | 1,699艇 | 6.84秒 |
| 下関 | 2,084艇 | 6.86秒 |
| 鳴門 | 1,151艇 | 6.86秒 |
| 津 | 1,433艇 | 6.88秒 |
| 江戸川 | 1,220艇 | 6.91秒 |
| 福岡 | 1,581艇 | 6.93秒 |
| 住之江 | 1,367艇 | 6.93秒 |
| 若松 | 1,868艇 | 6.95秒 |
| 大村 | 1,652艇 | 6.96秒 |
| 徳山 | 1,510艇 | 6.99秒 |
浜名湖 6.73秒 から 徳山 6.99秒 まで、0.260秒の幅があります。 1レースの中での艇どうしのばらつきは 0.107秒なので、 場の違いのほうが大きいことになります。
だから「A場の6.80秒」と「B場の6.80秒」は、同じ速さを意味しません。 同じレースの6艇の中で比べるしかありません。
集計: race_exhibitions + race_entries(2026-07-19〜2026-08-26・39日) / 展示タイム(周回1周のタイム)。順位は同じレースの6艇の中での速い順。1着率の分母は完走した走。 母数 36,345艇 / 6,092レース・2026-08-27時点。
★★9つの条件をそろえても、差は消えませんでした
先に書きます。展示1位でも、72.74% は1着になりません。 「展示が速い=勝つ」ではありません。
以下は 2026-07-19 から 2026-08-30 までの43日・6,837レース・40,515艇で測った結果です。 上の①の表より母数が増えているので、小数第2位が少し動いています。
① 1着だけを見ると、差を小さく見誤ります
| 展示タイムの順位 | 走 | 1着率 | 2連対率 | 3連対率 |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | 7,760走 | 27.26% | 46.06% | 62.35% |
| 2位 | 7,331走 | 19.78% | 38.79% | 55.94% |
| 3位 | 6,762走 | 17.01% | 35.09% | 52.35% |
| 4位 | 6,615走 | 13.68% | 30.01% | 46.92% |
| 5位 | 6,189走 | 12.07% | 27.26% | 44.85% |
| 6位 | 5,858走 | 8.01% | 20.64% | 36.68% |
1位と6位の差は、1着率では 19.25pt ですが、3連対率では 25.67pt あります。 展示の速さは「1着になる」より「3着以内に残る」ほうに強く出ています。
② コースのほうが、2.26倍強く効いています
| 何で並べたか | 3連対率の幅(1位と6位/1コースと6コース) |
|---|---|
| コース | 57.95pt(1コース 81.51% ↔ 6コース 23.56%) |
| 展示タイムの順位 | 25.67pt(1位 62.35% ↔ 6位 36.68%) |
展示タイムの順位は、コースをひっくり返しません。 1コースで展示6位の艇の3連対率は 71.58%(482走)で、 3コースで展示1位の艇の 63.43%(1,124走)より高いです。 「展示が速いから内より上」にはなりません。
③ 級が下の選手ほど、1着ではなく3着以内に効きます
| 級 | 走(1位/6位) | 1着率の差 | 3連対率の差 |
|---|---|---|---|
| A1 | 2,401/1,147 | 22.21pt | 22.30pt |
| A2 | 1,844/1,213 | 20.77pt | 23.64pt |
| B1 | 3,106/3,048 | 13.69pt | 21.80pt |
| B2 | 409/450 | 5.00pt | 14.59pt |
A1では1着率の差と3連対率の差がほぼ同じ(22.21pt と 22.30pt)ですが、 B2では3連対率の差が2.9倍あります(5.00pt と 14.59pt)。 級が下がるほど、展示の速さは「勝ち」ではなく「残り」に出ます。
④ そろえた条件は9つです
「展示が速い艇は、もともと強い艇なのではないか」を確かめるため、 次の9つをそれぞれ固定して測り直しました。
- コース/級別/モーター2連率/全国勝率
- 風速/波高/進入(枠なりかどうか)/日目/場
9つのどれを固定しても、3連対率の差は残りました。 24場すべてで、展示1位のほうが3連対率が高いという同じ向きでした (場ごとの差は 17.13pt から 38.50pt)。
ただし、そろえていない条件もあります。 気温・水温・安定板・展示タイムの秒そのもの・その選手の直前の成績は、固定していません。
⑤ このページの弱いところ
- ★同じレースの6艇は、たがいに独立ではありません。 1艇が勝てば他の5艇は勝てないからです。 40,515艇と書いていますが、独立な単位は 6,837レースぶんです。 艇を独立として計算すると3連対率の差の95%区間は ±1.64pt ですが、 レースを1単位にして数え直すと ±2.05pt に広がります (実質の母数は約64%)。 それでも差は残りました(27.53pt・95%区間 25.48〜29.59pt・5,016レース)。
- ★期間は43日ぶんだけです。 季節がひとつしか入っていません。
⑥ なぜ、この数字を画面に出していないのか
当サイトは、締切前に展示タイムを取れているのが3場だけです。 その3場でも、締切前に間に合うのは 57.4%〜73.8% です。 全レースで見ると 9.5% にしかなりません(2026-08-19〜08-30・191/2,016レース)。
締切のあとなら全場ぶん入りますが、それでは締切前に見られません。 「あるレースには出て、あるレースには出ない」画面にはしたくないので、出していません。 このページは、締切のあとに分かったことの記録です。
このページは、どの艇を買うべきかは示しません。 「展示1位を買え」とも書きません。 上に書いたとおり、展示1位でも 72.74% は1着になりませんし、 コースのほうが2.26倍強く効いています。
★★同じ「展示」でも、タイムは効き、STは効きません
スタート展示のSTは、本番のSTをほとんど当てませんでした(相関 0.046)。 ですが展示タイムは、同じレースの中で見ると1着率がはっきり並びます。
違いは「本番と同じことをしているか」だと考えられます。 展示のスタートは処分がないので選手が踏み込めますが、 周回のタイムは踏み込んで縮むものではありません。 ただし、これは説明であって、確かめてはいません。
だから当サイトは、展示のうちタイムのほうを使う方向で検討しています。 ただし、まだ画面には出していません。 期間が短いためです(下記)。
★★★場をまたいだ比較はできません
展示タイムは、場によって計り方が違います。 どこからどこまでを計るかが、場ごとに決まっているためです。
実測すると、場ごとの中央値は 6.73秒から6.99秒まで、0.26秒の幅がありました。 1レースの中での艇どうしのばらつき(標準偏差)は 0.107秒なので、 場の違いのほうが大きいことになります。
つまり「A場の6.80秒」と「B場の6.80秒」は、同じ速さを意味しません。 展示タイムを使うなら、同じレースの6艇の中で比べるしかありません。 「展示タイム全国ランキング」のようなものは作れません。
どう読むか
展示タイムは「同じレースの中での速い順」として読んでください。 秒そのものを他の場と比べても意味がありません。
1位でも1着率は 27.30% です。 4回に1回強で、確実ではありません。 コースの影響のほうがずっと大きいことにも注意してください (1コースの1着率は 55.72%)。
このページは、どの艇を買うべきかは示しません。 「展示1位を買え」とも書きません。
分かっていないこと
- ★このページの数字は、直近43日ぶんしかありません(上の①②の表は 39日ぶんの時点のものです)。 展示のデータは 2026-07-19 から貯め始めたばかりです。 24場そろってはいますが、季節がひとつしか入っていません。 1年ぶん貯まったら、数字が動く可能性があります。
- ★モーターの良し悪しと選手の地力は、完全には分けきれていません。 展示1位の艇はモーター2連率が 34.75%、6位は 31.30% で、差は 3.45pt あります (全国勝率は 5.48 と 5.02)。 小さい差ですが、ゼロではありません。 なお「内だから勝ったのか」のほうは、コースを固定して測り直しました(上記)。
- ★特定の場が「特殊だ」とは書きません。 計測区間が他と違うとされる場がありますが、 実測では中央値が突出しては出ませんでした (もっとも遅いのは別の場で、その差は0.06秒です)。 「区間が長いから遅いはず」という説明を、数字が支持していません。
- 選手ごとの展示タイムは出していません。 場によって計り方が違うので、選手単位でまとめると場の違いが混ざります。
関連するページ
- スタート展示とは — 同じ展示でもSTは本番を当てません。その理由と、当サイトが使わない判断
- 1着率・2連対率・3連対率 — コースの影響の大きさはこちら
- コースと枠番の違い — 展示で見ているのは進入コースです
- 風と競艇 — その日の水面の条件
- 数字の読み方 — 使う数字と使わない数字の決め方
- 競艇の用語 — 他の用語
このページは、どの艇を買うべきかは示しません。